長期間の外出自粛は、高齢者の「老い」を加速しうる
長引く新型コロナウイルス感染拡大により、全国的な外出自粛要請が出され、事態が長期化の相を呈しています。
特に高齢者の方々は、感染されると重篤化のリスクが高いため、長いあいだ外出を自粛される方が増えてきているかと思います。この外出自粛が高齢家族の健康にどう影響するのか、それに対してどのような対策をすべきか。
リクシスメールマガジン号外編として、エイジングリテラシーの観点からデータとともにお伝えします。
高齢者は10日動かないと7-8年分の筋力を失う
実は、高齢者の健康寿命に一番大きく影響するのは、「歩く力」です。
人間の足の筋肉量は、50歳を超えると急激に減少していきます。
足の筋肉量が減り始めると活動量が減り、活動量が減ると、食欲が減り、また筋肉量が減る、という悪循環が始まります。実はこのサイクルこそが、虚弱(フレイル)が始まる「老い」の正体なのです。
実際、高齢者が10日間安静にすると、7-8年分の筋力が一気に失われてしまうというデータもあります。
新型コロナウイルス感染拡大で、長い間外出できない環境にある高齢者の方々にとって、「筋力をいかに維持するか」は、きわめて重要な問題になってきます。
片足立ち、タンパク質、そして会話を大切に
長い「自宅隔離」生活でも、老いのリスクを加速させないため以下のことを心がけるとよいでしょう。
・家の中でもできる足の筋力運動を毎日行うこと(例えば30秒ずつ机につかまった片足立ち)
・高たんぱくの食事を取ること(できればお肉やお魚)
「運動・栄養」への適切な介入は、高確率でフレイル状態を改善する
こういう時だからこそ、家族や社会との接点を保ち続けることは、心理的にとても大切です。
高齢のご家族がおられる方は、このメルマガの情報をお話しされる等をきっかけに、ぜひご家族と定期的に会話をして頂きたいと思います。